Mini-Circuits Japan株式会社

米国ニューヨーク州ディアパークにHigh Frequency(ミリ波) 技術センターを開設

2022年7月27日

Mini-Circuits社は米国ニューヨーク州ロングアイランドのディアパークにミリ波技術センターを開設しました。この建屋は1994年にMini-Circuits社が購入し、最大のロジスティックセンターとして長らく機能してきました。

Mini-Circuits社の創設者であった故Harvey Kaylie氏は、その経歴の初期にエアボーン・インスツルメンツ・ラボラトリーの技術者としてこの建物で働いており、Mini-Circuits社には非常に所縁の深い建物になります。その後、同社のロジスティックセンターとして使用されてきたこの建屋を、 High Frequency技術センターとして生まれ変わらせる計画が2019年に発表されました。

Mini-Circuits社の製品群をミリ波領域に拡張することは同社の投資戦略の重要な部分となります。昨今の5G、いずれ実用化される6Gへ向けてミリ波アプリケーションが急拡大しています。この市場要求に応え、成長を続けるためには、ミリ波部品の開発レベルを上げることが急務になります。しかしながら計画をスタートするだけでも高度で高額な設備や設計ツールが必要になり、またミリ波製品の市場や設計に精通した技術者が少なく、これは容易なことはではありません。

Mini-Circuits社・社長のTed Heil氏は次のように述べていいます。「最高の人材を引き付けられる施設が必要でした。ロングアイランドには、第二次大戦以来のRFやマイクロ波企業という強力な事業環境があります。才能のある人の多い環境であることにより、ディアパークが当社の新しい拠点の有力な候補地になりました。」

プロジェクトの開始直後から新型コロナウイルスの大きな影響を受けてしまったため、構想からその実現に至るまでの道のりは、想定していたよりも長くなりました。

High Frequency技術センター開設へ向けて施設のリノベーションを取り仕切ったプロジェクトマネージャのWilliam Keri氏は次のように述べています。

「主な工事は2020年に開始すると考えていましたが、町からの許可の取得の遅れや、建設資材価格の高騰など多くの困難が待ち受けていました。また施工業者、技術者、建築士を現場に集めて打合せをすることも容易ではありませんでした。これらは建設プロジェクトを計画するときに発生する複雑な問題です。」

このように困難な状況が続きましたが、プロジェクトは前進しました。施工業社が対応できずに工事が停滞してしまった時にはMini-Circuits社内の施設チームのスキルを活用し、施工を加速しました。困難に直面し対処するということを繰り返し、プロジェク発足から2年半後の2022年6月7日にテープカット式典と祝賀会を開催し、ディアパーク技術センターの完成を正式に披露することができました。

この場所で最も気に入っている点をWilliam Keri氏に尋ねると、新しく追加された「窓が好きだ」と答えます。「この窓からは毎日素晴らしい日の出と日の入りを見ることができる。」と彼は言います。

10,000平方フィート(約929平方メートル)のオープンスペースには大規模ワークステーションや会議スペースを設置し、キッチンとランチエリアも設けました。この技術センターには非常に高性能な設備が揃っています。

ディアパークの技術チームを率いる技術部長のMichael Ciardullo氏は、次のように述べています。「これは、Mini-Circuits社にとって大きな成果であり、このチームは、ここで働くことに胸を躍らせています。この技術センターが完成したことで、設計、テスト、そしてマイクロアセンブリの全てが可能になりました。これによって、当社はミリ波帯製品の次のレベルに進むことができます。」

この技術センターには、厚さ約0.6mmのガラスに囲まれた3500平行フィートのクラス100Kクリーンルームが部屋の中央に設置されています。エアロックを通りクリーンルームへ入るメンバーは、ホコリや外物などよる汚染を防ぐためにESD対策がされたコートや手袋、頭部や足部へのカバーを着用しなければなりません。また特別なエアハンドリングユニットとフィルタを使用した空調設備は外気からの汚染物質を除去しています。「コロナ禍でこのような装置を入手することは容易ではなかった。」とWilliam Keri氏は述べています。

ディアパーク技術センターのクリーンルームの外観

この技術センターでは最先端のテスト機器を揃えていることに加え、マイクロアッセンブリ生産ラインを備えています。この技術センターで設計した高周波アンプなどを少量生産することが可能です。Michael Ciardullo氏は次のように述べています。「この技術センターではベアダイのエポキシ実装やボール、ウェッジの両方のワイヤーボンディングを行うことができます。プロセスを開発する能力だけでなくこれらをサポートするプロセス検証やQA手順も持ち合わせています。」

この技術センターに新しく設立されたチームは、すでに開発ツールを使いこなし期待されるいくつかの製品のリリースに向けて開発を進めています。高周波アンプは周波数を95GHzまで伸ばすことができました。この他にもコネクター付きスイッチ、可変減衰器、電力検波器などもミリ波領域まで周波数を伸ばしています。

Ted Heil氏は次のように述べています。「当社にとっては40GHzが限界だと考えられていた時期がありました。しかし、このチームの採用を通じて、これまで思っていた以上に限界を広げられることがわかりました。今では、110GHzに近づいていて、これで2世代先の無線技術にも対応できます。」

この技術センターが印象的であるのと同様に、ここで働く人々の才能は、この場所から生み出されるイノベーションの推進力です。Michael Ciardullo氏は多くの素晴らしいチームメンバーを採用し、他部門から転籍した人や新規に採用をした人など、全てのメンバーはこのラボの原動力になっています。

新しい設計を検討するディアパークの技術チーム

技術部門副社長のJoe Merenda氏は次のように述べています。「これは大きな投資であり、ミリ波市場に適切に対応する必要な手段でした。この場所を重要な開発拠点の一つにできたことはMini Circuitsの従業員のおかけです。この技術センターの人々は素晴らしく、ミニサーキットが必要とする人々の才能と人柄のコンビネーションそのものです。」

Joe Merenda氏は、「ディアパーク技術センターのような組織をうまく運営するためには、技術者以外の人々も必要です。」とも述べています。

このチームは、専任のプロジェクトマネージャーとプログラムマネージャー、テスト技術者、アセンブリ作業者、キッティング作業者などで構成されています。「これだけのことを実現するのに携わった人材のことを考えると気が遠くなります。」とJoe Merenda氏は言っています。

テープカット式典には、Harvey Kaylie氏の家族も参加して、チームと一緒にディアパーク技術センターの開場を祝福しました。Harvey Kaylie氏の娘で取締役会長であるAlicia Kaylie Yacoby氏は、クリーンルームを囲うまったく汚れのないガラスの隣に立って、次のように述べました。「これがまさにこの会社のあるべき姿なのです。Mini-Circuits社の基本理念は、常に前進して改善し続けることです。この施設は、その道程での重要なマイルストーンだと思い
ます。もしHarvey Kaylieが今日ここにいたら、大満足しているでしょう。彼は、とても誇らしく思っているはずです。」

新しい施設は110GHzを超える高周波製品の設計、テスト、生産の全機能を備えています。