Mini-Circuits Japan株式会社

Mini-Circuitsの 量子コンピューティング革命への貢献

背景

Mini-Circuits の製品は、電気通信、航空宇宙、防衛、試験、測定機器、CATV およびブロードバンド光ネットワークなど、RF/マイクロ波コンポーネントの伝統的な市場のほとんどの分野で使用されています。しかし、科学や工学の最前線での最新かつ最も革新的な研究は、分野間の境界を越えて行われる傾向があります。例えば、気候学の最先端の研究は、気象学者と数学者のコラボレーションから生まれています。分子生物学者は、コンピュータ科学者と協力して慢性疾患の新しい治療法を開発しています。同様に、世界初の実用的な量子コンピュータの開発競争には、物理学、コンピュータサイエンス、RF/マイクロ波工学の応用知識が活用されています。 この革新的な技術は、Mini-Circuits 製品の、よりエキゾチックな用途の1 つであり、また発展を続ける科学の進歩の中で最も進んだものの1 つです。

量子力学とコンピューターサイエンスの予備知識がなければ、量子コンピューティングの概念を理解することは困難ですが、社会への潜在的な利益は明確で奥深いものです。量子コンピューティングシステムが商業規模で実現されれば、手始めに、新薬の発見は飛躍的に早まり、グローバルな物流や複雑なサプライチェーンの最適化が可能になり、金融や経済のモデル化のための強力な新しい方法が現れ、情報セキュリティシステムは、まったく新しいレベルに高度化されることが期待できます。

量子コンピュータは、従来の最速なコンピュータの数十万倍の速度で情報処理を行うことができるだけでなく、どんなに強力な従来型コンピュータでも解決できないような問題を解決する能力を、理論的に持っています。それは、情報を処理するためのルールや論理演算が根本的に異なるからです。

従来型コンピュータの情報処理には、0 と1 の2 つの状態を持つビットを使用します。 一方、量子プロセッサーは、0 と1、または0 と1 の状態を同時に扱うことができる、量子ビットまたは “qubits”を使用します。重ね合わせと呼ばれる状態です。 簡単に言えば、この重ね合わせ状態が、量子プロセッサのパワーの源なのです。量子プロセッサーの実現には、量子ビットを作り、その状態を維持し、最終的には数十から数百の量子ビットを相互接続するスケールアップされた物理システムが必要です。

たまたま科学者たちは、そのようなシステムをマイクロ波パルスでうまく制御できることを発見しました。そこで、Mini-Circuits の出番です。

カスタマイズされた極低温ソリューション

現在の研究のほとんどは超伝導量子ビットを中心としており、絶対零度(約-273℃)から数百ミリケルビン以内の極低温でなければ動作しない材料で作られています。この極低温により、通常では不安定な量子ビットの状態を長時間維持することが可能です。量子ビットの状態を制御するためのマイクロ波信号は、ノイズや電気的障害をほとんど含まないようにする必要があるため、高感度な量子プロセッサーに到達する前に慎重にフィルタリングして減衰させる必要があります。そのためプロセッサーを収容するクライオスタット内の極限温度で、確実に動作するRF 部品が求められています。

Mini-Circuits の製品の多くは、-55℃という低い温度での動作を想定していますが、この場合は、700mK(-272.45℃)以下の温度でも確実に動作する必要があります。

研究者は、標準的なステンレス鋼ハウジング内におけるMini-Circuits 同軸RF フィルターが、これらの条件下では性能が低下することを発見したため、Mini-Circuits のテスト・計測製品担当副社長であるChi Man Shum は、インドにある同社のデザインセンターのフィルター設計者と協力して、カスタムの真鍮製ハウジングにコネクタ付きローパスフィルターを製作しました。 真鍮はステンレスよりも熱伝導率が良いので、このような極限環境に適しているのです。

Shum は、この成功について次のようにコメントしています。「私たちのインドチームの努力は、量子コンピューター分野のお客様から高い評価を得ており、当社の真鍮製ハウジングは、超伝導実験の性能と効率の向上に貢献しました。可能な限り低い温度で電気的性能を満足するために部品を改良することができました。このようなユニークな要求への柔軟な対応は、私たちがこれらのお客様と一緒に仕事ができることを明らかにしました。

長年にわたり、Mini-Circuits の事業開発とアプリケーションサポートへの取り組みは、当社のビジネスを成長させるために、現状にとらわれない領域での機会を追求することに重点を置いてきました。量子コンピューティングのコミュニティとのコラボレーションは、RF/マイクロ波製品、そしてMini-Circuits のビジネスにとって、新領域開拓の好例です。量子コンピューティングはまだ初期段階にありますが、いつの日か私たちが知っているコンピュータ技術に革命を起こすでしょう。Mini-Circuits は、科学と技術をその革命に近づける先駆者たちのパートナーであることを誇りに思います。

ユニークな要件があるアプリケーションに取り組んでいますか?support@minicircuits.co.jp までご連絡をいただければ、Mini-Circuits のエンジニアがカスタムソリューションについてお話します。

また、量子コンピューティング向け製品の特集ページについては、量子コンピューティング特集をご覧ください。